2014年07月17日
早期母子接触
こんにちは しんしろ助産所です
赤ちゃんが産まれる時、まだへその緒でつながったままの
羊水も十分にふきとっていない赤ちゃんを、ママの胸の上に
抱かせてくれるようになったのはいつごろからでしょうか・・・
以前は赤ちゃんが産まれると、介助者がすぐへその緒を切って
お母さんに赤ちゃんをみせ、新生児室に連れて行って沐浴した
ものです。
この変化は赤ちゃんを護る身体の仕組みが分かってきたから。
お母さんの胎内で無菌状態で育ってきた赤ちゃんが
生まれてから感染もせず元気に育っていくには常在菌との
出会いがかかせません。
常在菌とは“腸内細菌”と“皮膚常在菌”のこと。
出産時の消毒で、ほとんどの常在菌は流されてしまいますが
全くなくなってしまうわけではありません。
誕生と一緒に赤ちゃんに取りついた腸内細菌は鼻や口、肛門
から、もともとの居場所である腸に向かって動きだします。
お母さんの胸に抱かれて、赤ちゃんにはお母さんの皮膚常在菌
もつきます。
でも、赤ちゃんは胎内でこの常在菌に対する免疫グロブリン(IgG)
をもらっているので感染することはありません。
この常在菌が手やベッド柵、ドアノブ、床などについている黄色
ブドウ球菌などの悪玉菌による感染を排除してくれます。
お母さんのオッパイを吸わせることも赤ちゃんを感染から護ります。
母乳は感染から身を護る免疫物質が豊富に含まれています。
お母さんに抱かれてオッパイを吸っていると赤ちゃんは泣きません。
これも、赤ちゃんのエネルギーの消耗を少なくして胎外生活への
適応を促してくれるといわれています。
こうしたメリットに加え、母子の絆が深まり、赤ちゃんを悪玉菌から
護り抵抗力をプレゼントできることからも
早期母子接触がひろがっています。