2012年09月26日

新型出生前診断に想う

こんにちは しんしろ助産所ですhiyoko_02


私事ですが、昨日は子どもの誕生日でした。
普段は ついつい口うるさく叱ってしまうことも多いのですが、
誕生日を迎えるたびに

「今年も元気に誕生日を迎えることができて 良かったclover

と改めて しあわせを感じますflower01




そんな昨日、新聞にこのような記事が載っていました。
     “新出生前診断 来月にも実施
              採血だけで容易に判定”


これは 妊婦の血液から、胎児のダウン症など、
3つの染色体異常が 安全かつ、ほぼ確実に
診断できるという検査です。

以前から話題にはなっていましたが、
いよいよ来月から国内の約10施設でおこなわれるそうです。


今までも血液検査による出生前診断はおこなわれていましたが、
染色体異常の確率がわかる程度で、
確実な結果を得るためには 羊水を採取しなくてはなりませんでした。

羊水採取をおこなえる期間は 妊娠15~18週と短い期間のみ。
しかも、300回に1回は流産の危険性があるため
容易にはおこなえませんでした。


しかし 今回の検査は10~22週と長い期間で実施可能なこと、
流産の危険性はなく、検査の精度も99.1%と非常に高いのです。

これだけ聞くと、「すごく良い検査がでた」 
ととらえる方が多いかもしれません。

しかしガイドラインが未整備の現状では、
「もし異常が判明した時に どうするの?」
という問題が 個人に深くのしかかってくるのです。



話しは少し戻りますが、
昨日誕生日を迎えた子どもは 妊娠中、健診のたびに
「あかちゃんの頭が小さい。足が長くてバランスがわるい。」
と言われ続けていました。

「何か異常があるのかなぁ・・・」
「異常があった時、育てていけるのかなぁ・・・」

常に頭の中はそのことでいっぱいでした。
毎晩 夢の中にやせ細ったあかちゃんが出てくるのです。

ある日、職場の先輩にそのことを相談すると

「生まれてからだって 
いつ病気になったり、事故にあって寝たきりになるか わからない。
生まれる前から心配したってしょうがないよ。
今その子は 生きている。 
そして妊娠した時から 自分はその子のおかあさんなんだから。」

といわれました。

「そうか、わたしが守らなければ・・・
どんな子でもわたしの大切な子どもなんだから。」

その時、覚悟が決まった気がします。

結果 生まれてきたわが子は、
ちょっと小粒なだけの 元気なあかちゃんでした。

女性は あかちゃんがうまれて急に母親になるのではなく、
ゆっくりとお腹のあかちゃんと一緒に母親になるのだということを
実感する体験でした。





・・・新型出生前診断に話はもどりますが、
医療技術は年々進歩しています。
安全に 確実に スピーディーに 便利に・・・。

新型出生前診断は これから子どもを産む親にとって
有益なのか、それとも 知らない方が良いこともあるのか・・・。

もちろん こうした検査は安易におこなうべきではありません。
しかし、第1子に障害や異常のある場合、自分自身に障害がある場合など、
確実な診断が求められることもあります。

検査を受ける・受けない、
結果を聞いて どうするかは自分たちの問題であって
第3者が口出しできることではないのでしょう。

しかし、突きつけられた現実を受け止めるには
社会のサポートが必要です。


検査対象者の設定、
検査についての十分な説明と理解、
結果後の専門家によるサポート体制、
ガイドラインの早急な作成をおこなっていくとのことですが
早急な対応が望まれます。
  


Posted by しんしろ助産所 at 17:50Comments(0)その他